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フリーランスとは組織に属しない働き方であり、会社勤めと対立する概念というわけではありません。例えば会社勤めをしていても、最近では会社の業績が悪化している中、フルタイムの仕事を労働者に提供することができず、またそれだけの給与を支払うことができないことから、ワークシェアを導入するなどして、社員一人あたりの労働時間を減らし、その代り自由な時間には副業を認めるという例もあります。この場合副業として、アルバイトやパートをすることも可能ですが、時間単位で収入を得るのではなく、細切れの時間を上手く使って、フリーランスとして仕事の完成に対する報酬を得ることも可能です。
フリーランスとして働く場合には、仕事の完成に対して報酬が支払われるため、短時間にできればそれだけ収入が増える計算になります。しかしクライアントが1社だけという場合、たとえ納期よりも早く仕事を終わらせても、次の仕事がすぐに依頼されるわけではありません。その点複数のクライアントから仕事の依頼があれば、次々と切れ目なく仕事が入る可能性が高まります。
現にクライアントが1社だけである場合よりも、複数のクライアントがいる複業の方が、一定期間で比べると、収入が高くなる傾向にあります。これはリスク分散という、経営上の基本戦略にも合致します。クライアントを1社に頼ると、仕事がある間は収入がとても安定しますが、そのクライアントが突然の業績不振に見舞われたり、資金繰りが悪くなるなどすれば、たちまち仕事がなくなったり、すでに納品済みの仕事の報酬が支払われなかったりということが起こり、自分自身が連鎖倒産するリスクも高まってしまうのです。
あるいはこのような最悪の事態に至らなくとも、依存しているといういびつな力関係をクライアントに楯に取られて、報酬を強引に値切られたり、無理な仕事も引き受けざるを得なくなるなど、長期的に見て損な立場に追いやられることもあります。
一方複数のクライアントから仕事の依頼を受ける場合、時間管理には十分注意しなければなりません。ダブルブッキングはご法度ですが、納期が近い仕事を複数のクライアントから別々に依頼されることも珍しくなく、そんな場合には仕事を進める段取りが大切です。一つ一つの仕事をタスクに区分けして、それぞれにかかる時間を適切に見積もり、どのタスクをいつ、どういう順番で、どのように完成させるのか、など適切な計画を立てて、それをその通りに実行する必要があります。手馴れた仕事であれば問題なくても、不慣れなものが交れば思わぬ時間を食うこともある点を、充分考慮に入れておかなければなりません。