フリーランスとして働くということは自由である一方、全ての責任をひとりで背負うということです。トラブルにも自ら対応しなければなりませんし、仕事も自分でとってこなければなりません。仕事がとれなければお金も入らず、困るのは自分自身です。かと言って仕事ほしさに安易に単価を下げて安売りしてしまうと、後で自分の首がしまります。フリーランスが着実に成功するためには適正な高単価を死守すること、契約書をしっかり締結すること、リスク分散のために「複業」を意識することがポイントです。
「良い仕事さえしていれば、収入は後からついて来る」と言われますが、それでもフリーランスが自ら安売り競争に巻き込まれれば、自分の首を自分で絞める結果となるのです。やはりどんな商売であっても、自分の仕事の単価を高く保つことは戦略として重要です。一度決まれば、クライアントとの間でその後の取引の基準となってしまうのです。仮に値引きをする場合であっても、単価そのものを下げるのではなく、基準の単価で計算した上で今回限り特別に値引きするという姿勢が大切です。
フリーランスには宿命的な収入が不安定な状態を解消しようと、クライアントを1社に絞るのは思わぬリスクを背負うことになります。確かに順調な時には良くても、クライアントの業績不振などによって突然仕事が全くなくなる可能性があるからです。投資にはリスク分散という考え方が常識ですが、同じく複数のクライアントからの仕事の受注、すなわち複業を目指す方が無難です。もっとも複業を実現するためには、それぞれの仕事が破綻しないよう、より細やかな時間管理が必要です。
ただでさえ不安定な身分からトラブルは避けたいものですが、フリーランスにとって入金トラブルは死活問題となりかねません。そこでまずはクライアントと契約を交わす際には、契約書を作成しお互いに内容を確認して署名捺印することです。また請求書を発行する際には、支払日を明記すると良いでしょう。クライアントの経理上の都合に合わせると、1か月あるいは2か月先まで待たされてしまいます。クライアントの経理担当窓口を確認しておくと、やり取りがスムーズになります。